木の畑ともいうべき人工林(「育成林」とも言われます)はどのように育てられているかご存じですか?
これを聞けば「なるほど!だから間伐材がでるのか」ということが分かります。

天然林と人工林(育成林)
森林には、木材の需要~今と昔~でも少し説明しましたが、天然林と人工林があります。
天然林は、人の手が全く入っていないか、人による手入れが長い期間行われていない森林です。
人工林が、木材を収穫するための森林、いわば木の畑です。
八百屋に並ぶ野菜と同じで、商品を育てる以上は売れる木を育てる必要があります。
では、人工林はどのように育てられているのでしょうか。
このプロセスを読めば、間伐材の意味が分かります。
人工林(育成林)の育て方
初めにざっくりとそのプロセスを説明します。
まず山にかなりたくさんの苗木を植えます。植林です。
木が成長してくると、枝が干渉するので、枝打ちと言って枝を落とす作業をします。
さらに木が育つと、発育の悪い木、枯れそうな木、密になりすぎの木などを間引きます。これを間伐と言います。
適切に育ったら、主伐になります。
40年~50年、もしくはそれ以上の期間を経て主伐になります。
枝打ちや間伐も1度や2度ではありません。
長い期間を経て、ようやく木材が育ちます。

枝打ちや間伐作業の意味
日光が地面に届かなくなると、木の成長に悪影響になるため、適度に枝を落とします。
木漏れ日の差し込むような状態のほうが、幹のしっかりした樹木が育ちます。
また枝を落とすことで節の少ない木が育ちます。
さらに、木が育つと枝打ちだけでも十分な日光が地面に届かなくなるので、木を間引きます。
「初めから間隔をあけて苗木を植えたらよいのでは?」と思うかもしれませんが、それではまっすぐな木が育たないので、商品としての価値が下がってしまいます。
間伐材の抱える問題
以前は間伐材は、薪や炭として需要がありました。
そのため間伐材も収入源でした。
しかし電気やガスが普及し、間伐材の活躍の場が失われていきました。
売れなくなった間伐材は、山に放置されることがあります。
なぜなら間伐材も、約10年以上の年月をかけて育った木です。
大きな木を何本も山から運び出すにはコストがかかります。
間伐材も、木材として商品になるものもあります。
しかし、そうではない間伐材の活用法を見つけることが重要になっています。

広島では、数年前に豪雨災害がありました。
この時に、山に放置された間伐材が豪雨で流され、川をせき止めてしまうことで被害が拡大したという事実がありました。
これを受けて、地元では間伐材の利用を促進する活動が盛んになっています。
地域の環境をみんなで守っていく必要があると実感します。
2021年2月5日
TSSプライムニュースで「大林間伐材再生研究会」の活動が紹介されました。
間伐材の問題は地元の大きな課題です。そのままにしておけば豪雨災害で大きな被害をもたらしかねません。活動の一環として地元で協力し製造している脳活パズルやSDGsバッジが紹介されました。これらの商品にはすべて間伐材が使われており、弊社で木材を加工しています。



いかがでしたか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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