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木材塗装用の塗料~ペンキ・ニス・ステイン・ウレタン・ワックス・オイル・柿渋・ベンガラ・カシュ―~


木材の塗料ですが、ホームセンターなどに行くと、さまざまな塗料が販売されています。

違いは何でしょうか?

 

ここでは、塗装の目的、塗料を選ぶときのポイント、塗料の基本成分、水性塗料と油性塗料の違い、そして一般的な塗料(ペンキ、ニス、ステイン、ウレタン仕上げ、蝋・ワックス、オイル、柿渋、ベンガラ、カシュ―塗料)について説明します。

 

すぐに塗料の説明が読みたい場合は下記リンクから。

塗料

ペンキ

ニス

ウレタン仕上げ

ステイン

蝋・ワックス

オイル

柿渋

ベンガラ

カシュ―塗料


塗装の目的

塗装することで、ツヤを出したり好みの色に着色したりと商品に表情を与えることができます。また、表面をキズや汚れから守ることです。

 

木は天然の素材なので、周囲の影響を強く受けてしまうことがあります。

 

例えば、

 

・湿気や水分で膨張したり、カビが発生してしまった。

・雨風にさらされて劣化した。

・乾燥で、反りや亀裂が発生した。

・直射日光にさらされて、変色が起きた。

 

天然素材である以上、劣化や風化は避けられませんが、塗装することで表面を保護し、木をキズ、腐食、変色から守ることができます。

 


塗料を選ぶときのポイント

塗料を選ぶときには、少なくとも次の点を考えてみましょう。

 

□ 木目を活かすか、それとも着色して塗りつぶすか。

□ ツヤを出すかどうか。

□ 屋内か屋外かどちらで使用する物か。

□ 塗料の扱いやすさはどうか。

□ ゆっくり乾かす時間があるか

 

一般的に、使用頻度の高いものや、屋外で雨風にさらされるもの、湿気の多い場所に設置するものなどは、耐久性を持たせるため塗装を必要とします。

 

そうでない場合は、仕上がりの見た目重視で選択すればよいと思います。

塗装なしの無垢材のまま使うことももちろん可能なのですから。


塗料の成分

まず、塗料はどんな成分からできているのでしょうか?

 

主な材料は、

 

・色のもととなる「顔料

・表面に膜(塗膜)を作る「樹脂

・樹脂を固めるための「硬化剤

・塗りやすい塗料にするための「添加剤

・上記の顔料、樹脂、硬化剤、添加剤を溶かすための「溶剤

 

これらが混ざって液体塗料になっています。


水性と油性の違い

塗料には、水性または油性と書いてあるものがあると思います。

成分の基本的な構成は、水性でも油性でも同じです。

 

ポイントは、

水性は水で薄められる。

油性は水で薄められない。

ということです。

 

この違いは溶剤です。

溶剤が有機溶剤(揮発性があり他の物を溶かす性質のある有機化合物)かで、水性か油性に分類されます。

 

「有機溶剤って何?」と思われるかもしれません。

有機溶剤にはいくつか種類があります。シンナーと言えば分かり易いかもしれません。

シンナーは「thinner」。希釈剤の意味です。

 

シンナーには強い臭いがあり、換気の悪いところで使用すると危険です。

「油性塗料の塗装は屋外で!」と推奨されているのはこのためです。

 

塗料の水性と油性の性質の違いをまとめました。

 

【水性の塗料】

・水ベースなので扱いやすい

・手についても、洗えば落ちる

・後片づけも楽

・きつい臭いがほとんどない

・有害物質「VOC(揮発性有機化合物)」が少なく環境にやさしい

・完全に乾けば、水にぬれても落ちません

 

【油性の塗料】

・有機溶剤ベースで扱いには注意が必要

・臭いがきつい

・吸うと身体に悪いので屋外での作業が望ましい

・引火する危険性があるので保管場所にも注意が必要

・耐久性が高く、仕上がりもきれい

 

水性の塗料のほうが圧倒的に使いやすいです。また完全に乾けば水で流れることもないため屋外で使用することもできます。

 

ただし、直射日光にさらされる、使用頻度が高いなどの場合には油性のほうが耐久性を出せるというメリットがあります。


ワシン 合成樹脂塗料
ワシン 合成樹脂塗料

塗料

塗料には、水性と油性があります。違いはすでに説明した通り、溶剤の違いです。

溶剤が乾くと表面に塗膜を形成します。そのため、木の手触りは失われます。

 

さらに詳しく説明すると、何の樹脂で塗膜を作るかで、油性塗料(油性ペイント)ラッカー合成樹脂塗料酒精塗料(セラックニス)などに分かれます。

 

どれを選ぶかは、乾燥の速さ、作りたい塗膜の硬さを考えて選びます。

消費者庁_塗料
消費者庁「雑貨工業品品質表示規程(四 塗料)」より
ラッカー
ラッカー

ペンキ

ペンキは正式名称を「合成樹脂調合ペイント」といい、塗料の一種です。

不透明で、木目を塗りつぶす仕上げの場合に適しています。

 

ちなみに、合成樹脂塗料とは別物です。


ニスとウレタンニス
ニスとウレタンニス

ニス

水性ニスと油性ニスがあります。

塗料と同様に木材の表面に塗膜を作りますが、基本的に透明です。

 

ステイン着色の上塗りや、木目を活かしてニスのみでツヤ出しとして使用されることが多いですが、「着色ニス」「カラーニス」といった色付きのニスもあります。

 

塗膜が薄く、膨張や伸縮に弱いため屋外使用に向いていない場合があります。

屋外での用途に使用する場合には、屋外用のニスを選ぶ必要があります。

 

また、塗料と同様に表面に塗膜を形成するため、木の手触りは失われます。


ウレタン仕上げ(ウレタン塗装)

ウレタン樹脂でコーティングする塗装です。

水性ウレタンと油性ウレタンがあるほか、ウレタンニス、ウレタンラッカーなど様々な商品があります。

 

ウレタンは、硬い塗膜を形成します。また、湿気に強く、耐久性もあります。

表面に汚れがついても簡単にふき取れるため、メンテナンスが非常に簡単です。

 

ただし、部分的な塗り直しは難しく、一度剥がれてしまうとそのまま使用するしかない場合があります。

また、熱には弱く、ウレタン塗装のテーブルに熱い鍋などを直接置くと、白い跡になることがあるので、注意が必要です。


BRIWAX 水性ステイン
BRIWAX 水性ステイン

ステイン

ステインは、木目を残しながら着色することができる着色剤です。(厳密には塗料ではありません。)屋内外の木部に使用でき、木材に浸透して着色しますが、塗膜を形成しません。

 

ステインには木材を保護する作用がないため、ニスなどを上塗りするのが一般的です。これには色移り防止、ツヤ出し、保護などの目的があります。

 

ただし、ステインは木地に浸透させる必要があるため、逆にペンキやニスを塗った上からステインを塗ることはできません。


蝋・ワックス

ワックスは蝋(ろう)のことで、自然由来のもであれば蜜蝋などが主原料です。石油系原料のワックスもあります。ワックスはペンキやニスと違って、塗膜を張りません。木材にわずかに染み込み、浸透しなかったワックスが表面に残ることで、乾燥や汚れを防ぎます。

 

木には、湿度が高いと水蒸気を吸い込み、少ないと放出して湿度を調整する機能があります。これを木が呼吸すると表現したりしますが、ペンキやニスのように塗膜を張ると、木は呼吸できなくなってしまいます。ワックスではその心配がありません。

 

厳密には塗装とは異なり、薄れたら重ねて塗ることができます。

木目を活かした仕上がりに最適で、木の質感が失われることなく、温かい表情に仕上がります。何度も重ね塗りしていくことで、深い味わいと高級感が出てきます。

 

ただ塗膜を形成しないので耐久性を出すことは難しく、熱にも弱い性質があります。熱いものを直接置くと跡が残ってしまいます。

 

一回塗って長期間の保護効果を期待するものではなく、定期的に上塗りを重ねて変化とメンテナンスを楽しむものです。

摩耗に弱いことがデメリットに見えますが、少しの傷であれば、ペンキやウレタン塗装より修理しやすいのも特徴です。


ワトコオイル
ワトコオイル

オイル

オイルは、塗るとそのほとんどが木材の内部に浸透していきます。浸透したオイルは酸素に反応して固まり、木材を内側から保護することができます。

 

表面には塗膜を形成しないため、木の本来の木目、手触りと質感を活かした仕上がりになります。また木の呼吸も妨げません。

 

ワックスと性質的に似ている点が多く、呼吸を妨げないことの他、耐久性は高くなく、上塗りしてメンテナンスする必要もあります。

 

違いは、オイルのほうが、内部に浸透するため、水で濡らしたようなしっとりした仕上がりになります。


柿渋
柿渋

柿渋

柿渋は、渋柿の実を絞って抽出された自然由来の塗料です。柿渋自体、数百年以上も使用されている歴史ある塗料ですが、柿渋に含まれるタンニンが、ホルムアルデヒドを吸着する効果があるということで、人体と環境に無害な塗料として注目されています。

 

きつい臭いがあるという印象ですが、最近は無臭柿渋も販売されています。

 

塗り重ねると、色が濃くなり深みが増します。木の呼吸も妨げることなく、塗り重ねることで耐久性も増すため、長く雰囲気の変化を楽しむことができます。

完全に乾けば耐水性もあり、屋外での使用にも耐えることができます。

 

柿渋で塗装し、蜜蝋で保護などの組み合わせが可能です。


ベンガラ
ベンガラ

ベンガラ(弁柄、紅殻)

ベンガラの主成分は酸化鉄で、昔インドのベンガル地方で酸化鉄が多く産出されたことから、その名がついたと言われています。

 

現在は工業用ベンガラもありますが、赤色を特徴とする顔料です。

日本の伝統家屋に見られるような味わい深い仕上がりになります。

 

非常に古くから使われてきた顔料ですが、近年では耐熱性、耐光性、耐水性にも優れているほか、人体・環境にも安全な顔料として注目されています。

 

具体的な使用方法は割愛しますが、柿渋と混ぜてから塗装に使う場合もあります。

弁柄自体は顔料なので、色落ちを防ぐためにはオイルなどでコーティングします。


カシュ―塗料

カシュ―とは漆系合成樹脂塗料です。『カシュー』は商品名で、カシューナッツの殻から搾った油を主成分とする塗料です。

 

カシュ―の木は漆科の植物ですが、漆と異なりかぶれません。

しかし漆の黒に似た塗装ができるため、カシュ―漆と呼ばれることがあります。

 

カシュ―塗料は粘度が高く、シンナーで希釈して使用します。

そのため、塗装の際は臭いが強くなるので、換気に注意が必要です。

 

乾燥には時間がかかるので、表面に埃が付着しないように気を付ける必要があります。

乾燥すれば臭いは消えていきます。


いかがでしょうか。

 

塗料を決める時のポイント、水性・油性の違い、それぞれの塗料、ニス、オイル、ワックスなど木材に塗るものについて説明しました。

参考になれば幸いです。

 

参考資料:


最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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